緑内障〜目の眼圧異常の病気

●緑内障とは?

緑内障は、目の眼圧が上昇することで、視神経が損傷し、視力が悪くなる病気です。
日本では、緑内障は糖尿病性網膜症に次いで2番目に多い失明の原因であり、一度損傷した視神経は二度ともとには戻りません。
近年、正常な眼圧でも緑内障を発症する人が多いことが明らかになっています。


●緑内障がおこる原因

目の角膜と水晶体の間に位置する前房と後房と呼ばれるところは、房水と呼ばれる血液の替わりに角膜や水晶体に栄養などを運んでいる液体で常に満たされています。
緑内障の原因となる房水の流れ
この房水は後房の毛様体で作られ、瞳孔を通って前房を経由し、線維柱帯と呼ばれる流出路から排出されるのですが、房水の排出が何らかの原因でせき止められたり、正常に排出されなかったりすると、前房と後房に房水が必要以上にたまり、その結果、眼圧が上がります。

眼圧が上がると、目の内側からの圧力により視神経へ血液が行かなくなり、そのため視神経が死んでしまうので、目で受け取った光の情報を脳に運ぶことができなくなって視力を失うのです。

緑内障は、強度に近視や遠視であったり、糖尿病にかかっている方に発症する確率が高く、また、家族に緑内障にかかっている方がいるといった遺伝的な原因でもおこりやすくなります。


●緑内障の分類と症状

緑内障は大きく分けて3つに分類されます。
まず、生まれつき房水の流出路である隅角が狭く、房水が流れにくい目の構造をしていることで眼圧が上昇しておこることがあます。
このタイプの緑内障を先天緑内障といいます。

2つ目に、感染症や炎症、白内障など他の病気や目の外傷、目の手術、ステロイドのような薬物などが原因で二次的に緑内障になることがあります。
このタイプの緑内障を続発緑内障といいます。

3つ目に、原因が不明でおこる緑内障を原発緑内障といいます。
原発緑内障はさらに、隅角がふさがっていることによりおこる閉塞隅角緑内障と、隅角が開いているのですが、房水の排出口である線維柱帯が目詰まりすることでおこる開放隅角緑内障に分けることができます。

閉塞隅角緑内障は、紅彩が隅角をふさいでしまうことで房水が排出口にたどり着けなくなり、房水が前房と後房に溜まってしまいますので、眼圧が上がってしまいます。
図の@、Aのところで紅彩が邪魔をして房水の流れがせき止められるケースです。
房水の流出が妨害されると眼圧は短期間で上昇するので、突然激しい頭痛や目の痛みがおこり、視力が落ちたり光の周りに輪が見えたりします。
さらに、気分が悪くなり、腹痛、吐き気などの症状もでてきます。
このように、目以外の部分でも症状がおこるため、別の病気と間違われることもあり、対処が遅れると場合によっては一晩で失明してしまうこともあります。
閉塞隅角緑内障は、前房が浅く虹彩と隅角が接触しやすい方に多く発症し、男性より前房の浅い女性やに多く見られます。

開放隅角緑内障は、図のBの線維柱帯が目詰まりが原因であり、房水の排出がゆっくり過ぎるためにおこるタイプの緑内障で、緑内障の約90%はこのタイプです。

房水の排出は少しずつでも行われていますので、眼圧の上昇もゆっくりで、視力も徐々に落ちていきます。
初期のうちは眼圧が徐々に上昇していっても自覚症状は起きず、次第に視野が狭くなっていき、光の輪は見えたり、暗さに順応できなくなっていき、異変に気づいたときには回復不可能な状態であったりします。


●緑内障の治療法

緑内障の治療はまず、目の眼圧を下げることです。
ですので、眼圧が上昇する根本的な原因である房水の生産量を減らす目薬か、あるいは房水の排出を促進する目薬がまず使われます。

一般的に最初に使用されるのは、交感神経の働きを抑える交感神経β遮断薬の目薬です。
交感神経の働きを抑えると、房水の生産も減少するので、眼圧を下げることができます。
また、瞳孔を収縮させることで、房水の流れを妨げている紅彩を引っ張って、房水の流れる経路を確保する副交感神経刺激薬のピロカルピンという目薬も有効です。
房水の排出を促進する目的では、プロスタグランジンという目薬が利用されます。
目薬だけで効果が不十分な場合は、房水の生産を抑える効果のある炭酸脱水酵素阻害薬のような内服薬を目薬と併用して処方することもあります。

2〜3種類の薬を試してみても症状があまり改善しないような場合は、レーザー治療で紅彩に穴を開けて房水の流出経路を確保します。
レーザー治療で解決しない場合は外科手術を行うことになります。

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。